・はじめに
私は「役割破壊」というものが大好きでして、よくこれを軸にパーティを組んだりしちゃってます。
そこで、役割破壊とはそもそも何なのかを解体して考えてみようと思いました。やっぱりこういう「根本を考えてみる」という行為は実力アップに繋がると思いますので。
結構独自の解釈を入れていますので、本来の役割破壊の定義とはズレた点もあるかもしれませんが、まあそこは大目にみてください。
・役割破壊とは
「相手のポケモンが持っていた役割を果たせなくすること」です。ただこれでは抽象的すぎますから、3つに分類したいと思います。
1.打ち合い、縛り関係の逆転
テンプレ型では対面で打ち負ける相手を、技選びやテンプレ型より高い素早さにより対面で打ち勝つよう覆したものがこれにあたります。
例えるならASガラガラなどがそれにあたりますし、もっとシンプルに行くならば「こだわりスカーフ」というこの役割破壊が容易にできる道具もあります。
さて、ここまでは基本的ですが、これらで役割破壊を行うために必要な条件はもう1つあります。
それは、「メジャーな型でないこと」です。メジャーな型であると、既に相手の役割対象から外れてしまっているんですね。例えばみずタイプの大半が打てるれいとうビームは草タイプへの役割破壊なのですが、搭載するのが当然過ぎて、れいとうビームに縛られている草タイプは既にそのみずタイプを役割対象と見ていません。他にもでんきタイプの打つめざ氷など、覚えていて当然という技は役割破壊であって役割破壊でなくなった、「元役割破壊」なんですね。
つまり纏めると、「打ち合い、縛り関係の逆転」による役割破壊を行うためには「メジャーではない手段で」テンプレ型が勝てないポケモンに勝てる型を使う必要がある。
となります。
2.受けの役割破壊
これは1の拡張系で、受けを崩す役割破壊です。クレセリア対策のポケモンなどは大概これに当たったりします。
例としてはじわれマンムーやどくどく搭載ガブなどがあります。
ガブに対して受け出される耐久ポケに対してどくどくを打ち、お互い打点のないポケモンに引くことで、勝手に落ちてくれます。
マンムーはそれをじわれで解決する事も出来ます。マンムーに受け出されるポリ2などをじわれで落とすことで、相手の「マンムー受け」を破壊しました。1と分けた理由は、「相手が後出し安定だと思い込んでいる」という特徴からです。
1の役割破壊が対面思考ならば、2の役割破壊はサイクル思考とでもいえるでしょうか。役割論理で散々語られているように、眼鏡や鉢巻などで受からせず強引に処理するのもこちらに該当するでしょう。
こちらも「メジャーだと成立しない」と簡単に片付くかと言うとそれは怪しくて、例えばチョッキじわれマンムーは知名度こそありますが、実際はみなさんポリ2を後出しします。これはサイクル系の限界点でもあるのでしょう、「切らなきゃやってられない」の範囲だからです。勿論新しいこの手の役割破壊を考案すれば強いでしょう。しかし「後出しから受かるものを潰せる」ほどの大きな逆転ってかなり研究され尽くしているんですよね。強い分思いつきづらい、レアケースな役割破壊なのが大きな違いだと思います。
また、それが見つかったとして、仮想敵ピンポイントに強い型になるのもアウトで、ある程度の役割対象が存在しないと強い型となり得ないのも型開発の難易度を上げているのではないでしょうか。
6世代でたまに見かけた「一撃必殺持ちチョッキ地面枠」などはこれに該当するでしょう。とはいえこれも開拓され尽くした気もしますが…
3.どくみが(定数ダメ+みがわり)型の役割破壊
実はこれが1番この記事で重視したかった点でして、「嵌め戦法」の根本の理が3の役割破壊です。
どくみが型が役割破壊を行うシチュエーションの例は
などですね。
この8ターンのサイクルが行われた時点で3の役割破壊は成立です。ヒードランはまもる、みがわり、まもる、…と交互に打てばガブリアスを突破することができ、本来「ヒードランを処理する」という役割を持っていたガブリアスの役割を破壊できました。
この役割破壊が成立する条件は、「ガブリアスに定数ダメージソースが入った」「ヒードランがみがわりを残せた」の2条件です。この条件の下ではみがまもで嵌めることで成立します。・・・①
では、どくみが型ヒードラン、どくみが型ドリュウズ、どくみが型ギルガルド……など、メジャーなどくみが型に共通するものってなんでしょうか。
それは、「耐性故にみがわりが残しやすい」「上からどくどく後みがまも展開で耐久ポケを狩れる」「どくどく無効勢に打点がある」という点です。
1つ目はサイクルの過程で①の2条件を作りやすいからであり、2つ目は役割対象を増やすためです。先ほども書いた通り、役割破壊対象以外の役割対象が少ないと、強い型として機能しませんからね。3つ目も同様、役割対象を広げるためですが、せっかく残したみがわりをどくどく無効勢に無駄にされるのを回避する意味合いが大きいです。
また、①の2条件のうち「みがわりが残せた」という点に関しては、ガブリアスの上を取れていない故に必要なものですから、素早いほど優秀であると言えるでしょう。ただ、最速を切って「みがわりの残しやすさ」を狙って耐久に振るのもアリですが。
さて、ここで7世代から登場した「どくどく無効勢に対する打点」を必要としないどくみが戦士が居ることに注目しておきたいです。
その名はエンニュート。専用特性の「ふしょく」により、みがわりを残した際のどくどくが「めんえき」「ポイズンヒール」以外には全て通ります。こいつだけは例外なので、考察次第で様々などくみが型の前提が覆りますね。
以上から、3の役割破壊を行う型を開発するためには、「十分な素早さ」もしくは「みがわりの残しやすさ」を考えると良いでしょう。耐久が低過ぎる場合成立させ難いので、耐久はあればあるほど良いでしょう。どくどくは基本的に誰でも覚えますから、未開拓のどくみが戦士は多数眠っているかもしれませんね。
・さいごに
以上が私の「役割破壊観」です。これらを軸に構築を行う事で、確かな勝ち筋が開拓できるかもしれません。
新しい型の開発は難しいですが、私が新しく型を思いつく時は大概この記事の内容が大元にありますので、少しでも読者の方の参考になれば幸いです。