・はじめに
このブログはご存知ポケモンについてのブログなワケだが、今回はポケモンに非常に関わりが深い数字の性質について少しお話しようかと思う。
さて、タイトル通り、「差」と「比」についてのお話が本題だ。
読者の方はこんなフレーズを耳にしたことはないだろうか。
1.「今日限り当商品は50円引き!」
2.「○○をするとガンになるリスクは20倍!」
タイトルにある「差で考える」「比で考える」は、まさにこの1,2のような事柄である。
1がもし「50%引き!」だったら比で考える事になるし、2がもし「20%増加!」だったら差で語っている。
何を当たり前な事を、と思うかもしれないが、ここを元に話を広げたいので確認しておいた。
・足し算引き算と掛け算割り算
小学生が算数で習う事柄に、「掛け算割り算は足し算引き算より先に処理しましょう」というのがある。また、「足し算を打ち消すには引き算」、「掛け算を打ち消すには割り算」という事も習う。
3+7-7
4×9÷9
のような物の話だ。
このように、足し算引き算でセット、掛け算割り算でセット、という風潮がある。当然のように習うので「そういうものなんだ」と認識している方も多いかもしれないが、これにはちゃんと意味がある。
ずばり、足し算引き算は「差で考える」計算で、掛け算割り算は「比で考える」計算だからである。これについては「なんとなく」理解しているかと思うので触れないが、ここがかなり重要である。
何が言いたいかというと、引き算は「負の数の足し算だと捉えることで」足し算に書き換えられること、割り算は「逆数の掛け算だと捉えることで」掛け算に書き換えられることである。要は足し算と掛け算だけを議論すれば済むので議論が楽になるよね、って算段だ。
・差と比の考えを入れ替える
例えば、先ほど例に挙げた「50円引き」の話だが、その商品の元の金額がもしも500円だった場合は、「10%引き」になるが、5000円だった場合は「1%引き」となる。
差を固定しても、比は固定されないのだ。
さて、とうとう話題は努力値配分などに移る。
まず、努力値は差で考える世界である事に注意。0〜252まで割り振れて、実数値の変動は0〜32である。
つまり、0〜32までのどの数字を足すか、これが調整の本質である。
一方ダメージ計算式は"攻撃を掛ける"と"防御で割る"を含んでおり、調整した値は比で考えられる事が分かる。
まとめると、「差で考える世界で調整したもの」を、「比で考える」のがダメージ計算式の特徴である。
例えば、無振りハピナスはB実数値が30であるが、252振りはそこに32が加算され、実数値62となる。
つまり、30→62と変化して、防御はおよそ2倍になったといえる。
一方防御最強のツボツボは無振りでB実数値は250である。ここに252振りを施すと実数値は282となり、防御はおよそ1.13倍しか上昇していない。
差で考えると「両者共に32増加した」と同条件なワケだが、比で考えると「ハピナスの方が得している」となるワケだ。
ダメージ計算式は比で考えるものだった事に注意すると、ハピナスのB振りの価値とツボツボのB振りの価値は圧倒的に違うと言えるだろう。
Q.では、低い種族値部分に振る方がお得なの???
A.お得です。ただしそれが強いとは限りません。
それを踏まえてやはりツボツボのBに振る事を選ぶというのも戦略。そりゃツボツボで損しない振り方はHAなどになるが、役割と噛み合っていなければお得な振り方でも意味は無い。ツボツボのAを上げてどうなるんだと。(エッジでアローが落ちるようになるらしいが)
ただ、よく言われる「Hが高いポケモンはHに振るよりBDに振った方が硬い」ってやつはこれで説明がつく。
ちなみに「耐久指数」という、H×BやH×Dで求められるものがあるが、これも比で考えるものなので、低い側に振った方が指数が高くなるわけだ。
1番硬くなるのは、H=B,H=Dの時となり、HPは物理特殊の両者に影響するので2倍重要といえるので、しばしば「H:B:D=2:1:1が1番硬い」と言われるのだ。
勿論、物理耐久だけに着目して調整するならばH:B=1:1にするのが最も硬いのは当然なので、2:1:1は両方欲しいという欲張りな調整と言えるだろう。
・さいごに
調整案を考える時に、この考え方をはっきりさせる事がが意外と重要でして、考える時の大元にある数字を弄るテクニックとして纏めたいと思い綴りました。
上位のブログでも分かっていない人をたまに見かけるので、勿体無いなぁなどと思いつつ読んでいる事が多くて気になってました。