お久しぶりです。算数の話です。
最近、対戦オフが再活性化し、新作で初めて対戦オフに出てみよう、という方もいるかと思います。
さて、対戦オフでは、「ダメージ計算ツールの使用」を禁止しているところも多いです。
そのため、暗算もしくは手計算によるダメージ計算を、1ターンという限られた時間で行うスキルがあると重宝します。
今回紹介するのは「バレル式ダメージ計算法」です。この方法のメリットは
・(ある程度暗算が得意ならば)時間内に暗算で処理できる
・紙とペンがあればさらに加速
・上記で時短できるため、読み合いに使う時間が増える
一方大きなデメリットが
・誤差が出てしまう
・相手の種族値を暗記している必要がある
というポイントです。つまり、概算向きの計算方法となります。精密な計算はさすがに暗算や手計算では非現実的ですね。後者のデメリットについては、最近始めた人には厳しいところ。でも、覚えている分だけでも使えたら嬉しい。
では、紹介に移りましょう。
発想のはじまり
私は昔、構築上の最頻ダメージ計算であった「ランドロス→モロバレルの地震ダメージ」を暗記していた。
91〜108ダメージ。
この暗記を拡げることで、色々なダメージについて、即座に相手の型を見破ったり、といったスキルを身につけて、対戦を優位に進めていた。
思いつきはこの数値を見返していたときだ。
「あれ?ランドロスのA216って、最大ダメージ108のちょうど2倍じゃね?」
ダメージ値は相手のA実数値におおよそ比例するため、この法則は他でも成り立つはずだ。
ドンピシャである。
陽気ガブのA182に対して最高ダメージは91
意地ガブのA200に対して最高ダメージは100
これは使える!
つまり、以下の定理が成り立つ。
バレル式暗算法
『B134で一致地震を受けるとき、最大ダメージは「相手のA実数値÷2」で近似できる。』
これを応用すると、モロバレル以外でも、また、一致地震以外でも計算ができる。
応用例1
「A特化ファイアローのブレバをHBモロバレルはどれだけ食らうか?」
一致地震とは威力が異なる場合。
条件を整理すると、
・ファイアローのA実数値は146
・ブレバは威力120×抜群2倍=240
つまり、威力については、地震の2.4倍であるとわかる。この×2.4をダメージ暗算法の式にくっつける。
2.4×A実数値146÷2
工夫して計算するなら、146×1.2としてやることで、暗算で出来るかな、というレベルにできる。
計算結果は175.2。抜群ダメージは偶数になるため、最大ダメージは「176」と見積もれる。
私も執筆しながら計算したため、ここの段階では答えを知らない。さて、結果は……?
はい正解🫣
応用例2(モロバレル以外)
もはやモロバレルではない場合。
ナットレイを選んだ理由は至極簡単で、B実数値201、つまりモロバレルのちょうど1.5倍の値であるから。
条件整理。
・バンギラスのA実数値は204
・炎パンの威力は75×4=300
・不一致
まず威力倍率は、一致地震150に対して×2倍
これで不一致の処理もできた。
耐久は1.5倍なため、ダメージは2/3倍される。
これでB側の数値補正も完了。
あとは、2×2/3×A実数値204÷2を計算、推定ダメージ136を得る。これは4の倍数であるため、4倍弱点ダメージであることと矛盾がない。よって136を結論としよう。
現実は140ダメージ。
誤差が出た。小数第一位を切り捨てる処理の関係などから、少し誤差が出ることがある。
しかし、4倍弱点ダメージは4刻みなため、実質今回の誤差は1である。
この程度の誤差が出ると把握した上で使うなら、この計算法は実用性があるといえる。
また、もっと誤差を許容するようなシチュエーション(例えば、ざっくりと「○○を耐えるかどうか」みたいなことを把握するとき)ならば、1の位を四捨五入してもっとざっくりとした概算ができる。
1の位を四捨五入した概算例
無振り霊獣ランドロス(164-100)は特化サザンドラの流星群(194,威力130)を耐えるか?
条件整理。
・サザンドラのC実数値は194
・流星群の威力は130×一致補正1.5=195
流星群の威力を200として計算。
一致地震に比して約4/3倍
よって、計算は
4/3 × 194 ÷ 2 ÷ 3/4
約分を適宜行い、194×8/9を得る 大体170くらいかなー?という感じで更に概算。
ランドロスのHPは164なので、乱数一発あたりと推定した。
結果は………?
✨✨😎割とあってる😎✨✨
※概算を重ねがけするときは、「端数を切り捨ててばかりだから今回は切り上げよう」などとして、誤差が減るよう調整するのも有効。
ここまでくると、約分などの暗算ではケアできない領域に入ってきたので、紙とペンを持ち込めるオフ対戦で使いたいテクニックだ。
まとめ
出来たからってどうってことないが、対戦オフが活性化するかもしれないパルデアにて、持っていて損はないスキルかもしれない。
「地震の威力がキリのいい100であること」
「モロバレルのB実数値が134であり、×1.5すればほぼ200など、こちらも概算上で誤差が少ない値であること」
が作用して、計算の負担を少なくできるのがポイント。
Bが70なら、べつにモロバレルでなくても良いが、私が1番地震を受けさせた経験が多いのがモロバレルなため、この計算法を「バレル式」と名付けた。
今後対戦オフでこの計算が普及して、「あっ、バレル式使われてるんですね!」みたいな会話が弾んだりしねえかなぁ、しねぇよなぁ。