ポックルの対戦記録

とある毒ポケモン使いの考察記録です

【シーズン17】使用パーティ報告【型バラし】

・はじめに

今期は結果が奮わなかったのでパーティ紹介をざっとだけ行う。変態型が多く「初見殺し」をテーマとしていたので非常に楽しかった。ポテンシャルを引き出せなかっただけで優秀な並びではあったと思えるので一応紹介だけしておこう。

 

 

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ライボルト@メガ石

努力値:236-0-4-4-12-252

性格:臆病

特性:避雷針→威嚇

技構成:毒々 守る 火炎放射 ボルチェン

 

ライボルトを受けに出てくる安定した耐久値のポケモン(ポリ2やクレセなど)や地面ポケに対して安定して打てるどくどくを搭載。有利対面でボルチェンにするか毒を撃つかの選択肢があるので便利だった。また、ふいうちを透かして毒を入れ、まもる事で残り3/16以下のグロパン済みガルーラなども安心して処理できた。基本的にライボルトはフルアタなのでふいうち大安定だという誤解を悪用できるわけだ。

まもるに関しては、ゲンガーやゲッコウガ対面で無傷で上を取れるので便利だったが、交換されることも多かったので一長一短。初手出し負けの際もとりあえず威嚇を撒けるがステロなどを無償で撒かれると手痛い。

耐久値を上げたことで後出しできる範囲が増え、威嚇の回数を稼げる。その分火力は貧弱なので、本来の掃除役が果たせなくなることが多かった。このデメリットを考えるとCSライボの方が良いかもしれない(支離滅裂)

 

↓参考にさせて頂いたブログ

http://ruikeith.blog.fc2.com/blog-entry-19.html

 

ギャラドス@ゴツメ

努力値:244-0-252-0-0-12

性格:図太い

特性:威嚇

技構成:ねむる ねごと ほえる 熱湯

 

ゴツメギャラの弱点である「過労死」つまり回復ソースがない点を補うねむる搭載ギャラドス。選出率は圧倒的NO.1で、とりあえず投げたら活躍した。

ほえるは起点阻止だけでなく、後述のナットのステロと合わせることで抜群の相性を誇る。威嚇とはアンチシナジーだが、逆に言えば威嚇に流し性能があるのでステロ下でのほえるが非常に刺さりやすい。熱湯のスリップを狙い、後ろの掃除役を通せる名脇役。

 

↓参考にさせて頂いたブログ

http://pokomonn.hatenablog.com/entry/2016/07/24/101433

 

ナットレイ@残飯

努力値:252-0-4-0-252-0
性格:のんき
特性:鉄の棘
技構成:ステロ やどりぎ 守る ジャイロ

 

3シーズン通して大活躍した両受け枠。ほのパンガルーラ増加に対し、初手ガルーラ対面でゴツメギャラバックという便利なルートを持つことが出来たのでガルガブとやり合うのが非常に楽になった。また、威嚇サポートにより特化ガルーラのほのパンを確定で耐えるのも大きい。

ステロとギャラドスのほえる、やどりぎとライボルトのまもるがシナジーしており、ライボギャラナット選出が非常に安定した。

 

 

ニンフィア@こだわりスカーフ

努力値:4-0-0-252-0-252
性格:臆病
特性:フェアリースキン
技構成:ハイボ 破壊光線 シャドボ ショック

 

1番の地雷枠。ライボルトが掃除をサボるのでこいつが掃除役を引き受けた。S115族まで抜ける速度から、ガルドのシャドボより少し高い指数のボイスを連打する。

特にゲンガーがいない対面構築やカバルカに対して圧倒的な強さを見せた。ガルーラをギャラナット辺りのスリップダメージガチ勢達に削らせてボイス圏内にいれると不意打ち半減もあってすぐ勝負が片付く。

このポケモンの特に面白い点が、"ダメージ見誤り偽装"が出来るところだ。ラティの眼鏡サイキネに受け出しし、確2じゃんやったぜ受かってねえぜと突っ張るラティを吹き飛ばすなどの強引な役割遂行を行うテクニックの事だ。

 

このニンフィアについての単体記事。

詳しくはこちらを参照。↓

 http://panpikkle.hatenablog.com/entry/2016/09/10/055021

 

 

ニドキング@チョッキ

努力値:148-0-4-108-172-76
性格:ひかえめ
特性:ちからずく
技構成:ふいうち 冷ビ 大地 ドリル

 

いつもの。ガモス増加に伴って雪崩採用をしていたが、やはりふいうちの方が便利だった。受けループやヘラクレセドランをもっと安定して見れる文字もありかもしれない。

 あと、毒ボルト増加が非常に美味しかった。残飯が見えた瞬間後出し→引き先を読んだ攻撃が安定する。

ニンフィアが瞑想型ではないので、ポリ2など一部の耐久型の処理ルートがドリル以外にライボルトの毒くらいしか無かったのは厳しかった。

 

 

ボーマンダ@メガ石

努力値:244-4-4-0-228-28
性格:慎重
特性:威嚇→スカイスキン
技構成:竜舞 羽休め 地震 空元気

 

やはりいつもの。今回の構築ではニンフィアが瞑想型ではないので唯一のヒトム対策となっていた。眼鏡やらめざ氷やらは流石HDマンダだけあって勝てるが、魔界型は本格的に重過ぎた。ヒトム自体の個体数が少ないので切ったが、これが原因でなかなか1700辺りから抜け出せなかった。

 

 

・さいごに

ORASレート最終シーズンということで、良い結果で終わりたかったが、奮わず最高でも1829だった。

SM発売までの2ヶ月は統一の方に力を入れたい。

 

※参考にしたブログのリンクを無断で貼りましたが、もし問題があれば言ってください。

【単体記事】スカーフニンフィア【シングル】

・はじめに

ニンフィアといえば眼鏡型、ねむる瞑想型(欠伸、いびきなど複数ある)などの印象が強いので、主な処理法は「上から殴る」といった物が多い。"消耗させた後にガブで縛る"などといった立ち回りをするシチュエーションは少なくないだろう。

そこで、そういった消耗後上から殴ろうとする相手を返り討ちにすべく、ニンフィアにスカーフなるヤバいアイテムを与えてみた。すると、一風変わった地雷枠として活躍してくれたので紹介したいと思う。

 

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調整:CS252H4 臆病

確定技:ハイパーボイス はかいこうせん

準確定技:シャドーボール

選択技:サイコショック めざパ炎、岩、地 ねごと でんこうせっか

 

・特徴

最速115族まで抜けて、通りが良く、いい感じの火力を安定して発射できるので、終盤の掃除が可能となる。

耐久に振っていない分、繰り出し回数は通常のニンフィアより1回少ない印象があるが、その分奇襲性能があるのでサイクルへのメリットは五分五分といったところ。

HPが1でも残っていれば温存する価値が存在する点は、普通のニンフィアではあまりない特徴であるから、意識しておく。

相手の炎、鋼枠の選出を強く誘導し、有利不利が明確であるから交換も強く誘うので相手の行動を読みやすいメリットはニンフィアというポケモン自体の特徴として押さえておきたい。

 

・運用のコツ

初手に投げ、有利対面ならば"誘うニンフィア対策枠に有利が取れ、流し際に相手を選ばないようなポケモン"に即バック。釣りの餌として扱う。

例:初手ニンフサザン対面、ドラン交換読みニドキングバック、次ターンニドキングで冷凍ビームを撃ちサザンを狙い撃ちする。

 

例でも挙げたように、ドランナット等の鋼ポケや、アローガモス等の炎ポケを釣るために使う。ただし例のサザン対面のような釣り交換を行うと、交換の順番の性質からスカーフがバレる場合がある事に注意する。バレても掃除役を果たすことは可能であるので釣り交換の価値は大きいが…

無論、技候補の中の各種めざパは、各有利対面で交換読みで刺す。スカーフであるから、確2に抑え込めば火力は十分である。一発めざパを入れたら引かれることもあるだろうが、この「次回以降のサイクルでは縛れた」という事実が非常にデカいのだ。

 

・ダメージ量見誤り偽装

 このニンフィアを後出しし、残り体力の半分以上のダメージを受け止め、上から一撃で飛ばす立ち回り。こちらのミスを偽装している。

例:サザンドラにHP満タンのニンフィアを後出しし、ステロ+眼鏡だいもんじを被弾する。ここでHPは残り4割ほどとなり、つぎのだいもんじで確実に落ちる事が分かる。サザンドラは文字でニンフィアを縛れたと考えるので、居座ってだいもんじを打ってくるからスカーフボイスでサザンドラを突破する。

ここで相手は「ニンフィアの耐久を過信したプレミ」と判断する事はあっても「スカーフだから出してきた」と判断することはあまりないだろう。

この時、ニンフィア後出しの選択時間が早すぎると堂々とし過ぎていてスカーフだという疑念を持たれる可能性があるので、少し遅らせるのが得策か。長考するフリや即決などは地雷枠の扱いに於いては重要である。

 

 ・さいごに

意表がつける事は勝負において非常に大きいが、意表がつける型の特徴を使用者が理解していなくては意味がない。特徴を明確にしておくことで、序盤から大きく優勢にしたり戦況を覆したりするための強力な駒となるだろう。

 

というわけで、スカーフニンフィアについて今回はまとめてみた。「何より意表がつける」はネタなんかじゃないさ。

 

【耐久狩り】脱法スカタンク【シングル】

・はじめに

 

筆者の相棒枠であるスカタンクの型を聞かれることや筆者自身が布教しに行く事が多々あるので、その際にブログリンクを貼るだけで済むようここにスカタンクの型と考察を記しておく。

 

Twitterは字数が足りないのでめんどくさいのだ。

 

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・技構成:どくどく いばる みがわり イカサマ

・性格:おだやか

・特性:ゆうばく

努力値

案1:244-0-0-0-228-36

特殊耐久:特化サザンドラの眼鏡流星群確定耐えライン

S:4振りロトム抜き抜き

 

案2:244-0-0-0-188-76

特殊耐久:みがわりが特化ギルガルドのシャドボ、臆病CSメガゲンのシャドボで割れないライン

S:こごかぜ型スイクン抜き(実数値114)

 

案3:244-0-0-0-180-84

特殊耐久:臆病CS眼鏡ラティオスの流星群確定耐えライン

S:こごかぜスイクン抜き抜き(Sに厚いバナなどを意識)

 

物理耐久はどれもアローの鉢巻ブレバ確定耐えラインまで

 

 

 

運用方法

 

 主な役割は2つ、サイクルの過程でどくどくを撒き散らし、耐久ポケの処理ルートを開拓したり裏で掃除しやすいよう削ったりする事と、ギルガルドやゲンガーなど特定の相手を嵌めて1-1交換以上のメリットを得る事である。

 

前者に関して

決して高くはない耐久指数を誤魔化すために半減を意識して投げては流し際にどくどく…と回す。マイナーゆえにどくどくを撒きたい相手、例えばポリ2などは無警戒に居座ってくれることも多いのでどくどくが決まりやすい。

ただし、ヒードラングライオンといった、「どくどくが効かないみがわり持ち」には滅法弱いので極力サイクルに参加させたくはない。

ちなみに流し際に誘う相手は物理地面、つまりガブやランドやマンムードリュウズなどが多いので、状況に応じてどくどくで負荷をかけるかイカサマで負荷をかけるかを選択する。

 

後出し後、みがわりを残せる相手

ギルガルド(詳しくは後述)

クレセリア

スイクン(瞑想型を無理やりこいつで見るのも100%ではないが可)

ブルンゲル

フシギバナ

・ラッキー

・ヤドラン

・ゲンガー(鬼火、滅びがない場合のみ)

ブラッキー

 

みがわりを残す事は無理だが、後出しから仕事ができる

ポリゴン2

・サンダー

ゲッコウガ(信用可能,眼鏡冷ビは不可)

・ラティ兄妹(サイキネタイミング)

 

などなど。ここで注意して頂きたいのが、「仕事ができる」とは決して「後出しから処理できる」というわけではない事だ。流し+どくどくイカサマによる負荷のかけやすさなど、そこは適宜立ち回って裏のサポートに徹するのが正解である。

 

 

ゲンガー、ギルガルドの処理

上記の仮想敵の中でも特にメジャーなこの2匹に対しての立ち回りについて解説する。

 

ゲンガーの処理方法について

まずゲンガーは鬼火、滅びの歌がない事が前提である。襷ゲンガーなどは特に相手しやすい。

CSメガゲンガーの場合、案2以上の耐久振りならばみがわりがシャドボで割れず、ヘドロ爆弾でも乱数で割れない。

まず、前提で鬼火や滅びの存在を確認する必要がある事から、死に出しシチュが多いだろう。そこでゲンガー側は道連れ、ヘドロ爆弾などを打ってくる訳だが、いばみがをしていれば勝手に落ちてくれる上に状況次第でみがわりが残る事すらある。道連れ回避を安全に行いつつみがわりが残せる可能性があるのは大きい。

 

ギルガルドの処理方法について

後出しから処理。シャドーボールなどを食らい、ヘドロを食う所からスタート。

霊弱点がエースの際によくあるシチュエーションだ。(筆者はゲンガーやラティオスをエースに据えていた時にスカタンクギルガルドを処理してエースを通す、という立ち回りを行っていた。)

 

受け出しした時に

1.特殊ガルドの場合

みがわりから入る。キングシールド又は交代されるので、交代された場合はどくどくかイカサマを打ち次のサイクル。キングシールドの場合は次に威張る。自傷ならばイカサマで確定圏内に入るのでイカサマ連打。自傷しないでラスカなどでみがわりを割られた場合はもう一度みがわり。

といった分岐になる。

「みがわり、イカサマ」「ラスカ、キンシ」をお互い交互に打っているとこちらが先にジリ貧になるが、キンシタイミングでみがわりをすれば上記のいばみがルートでこちらの優勢が確定するので、実質「みがわり、ラスカ」「イカサマ、キンシ」は有利な択が何度も発生している打ち合いである。こちらは幾つかある択のうちの一度だけ通せばギルガルドを処理できる。

この択の安全度は凄まじく、不意打ち有利側択の数倍安全といえば聞こえがいいだろう。

 

2.物理ガルドが攻撃してきた場合(アイへやシャドクロなど)

物理ガルドはキンシがない事が多いのでここは交代してくる事が多い。裏に応じて打ち分ける。こちらのサイクルが先に崩れる可能性があるので物理で殴られるこの分岐が最悪の場合である。

どうしようもない場合は誘爆で相打ちも可能なので、サイクルの過程で温存しておき最後に投げるという手もある事は覚えておいて損はない。

 

ちなみにA特化珠ガルドのアイへ+かげうちをヘドロ込みでピッタリ耐えるので、なんだかんだ最初の受け出しは成立している。

 

3.物理ガルド(つるぎのまい)

 

カモ。HAギルガルドに+2一致イカサマは低乱1なので、即座にイカサマはせずに「みがわり、アイへ」「イカサマ、キンシ」の有利な択か、「みがわり、アイへ」とした後、キンシがないので「かげうち、イカサマ」で処理して終了、の2パターンとなる。

 

ちなみにスカタンクに対して積んだ状態から逃げるガルドは少ないが、単に無傷で流せただけなので逃げられても得している。

 

このパターンの後出しが1番理想的な展開なので、ラティオスの流星群のような、「ギルガルドが剣舞したくなるような餌」を撒いてやると良い。ギルガルドを処理したら流星群一貫で吹き飛ばすのだ。

 

4.毒ガルド

 むしろ毒ガルド側にどんな有効打があるのか見当がつかない。いざとなればTODも可能か。

 

5.襷ガルド

1番厄介かもしれないギルガルド。ブレードで一度イカサマを耐えることを考慮しなければならないが、基本的にうっかりやCSなので、案2,案3ならば先制は可能。この場合も最悪かげうちなどに接触させ相打ちに。

 

 

ギルガルドに関してはこんな感じで、最悪でも相打ちが可能(そうなる事は稀だが)となり、場合によってはみがわりを残して突破、後続にどくどくかイカサマを撒いて再度サイクルor退場が可能となる。

 

 

ブラッキーバルジーナとの差別化

この型を使った後にエゴサすると「バルジーナでいいだろ」「ブラッキーでやれ」との捨て台詞ツイートを見かけるので、あえてスカタンクを使うメリットを挙げる。

 

まずブラッキーに関してはSの差が大きい。しかしおだやかHSベースで振ることでこのスカタンクと同等のS、スカタンク以上の物理、特殊両耐久を得られるので、ステータス面ではブラッキーが完全に勝っている。

バルジーナに関しても同様で、HSベースでスカタンクの上位互換となるステータスを実現可能である。

 

ではどこが差別化点なのかというと、

 

ブラッキーバルジーナ共に持たない性質

・どくどく必中

・型が読まれない

・残飯枠を取らない

・どくどく無効

・フェアリー技を1発耐えて行動可能

・誘爆による温存価値と接触技への無警戒性

・ガルドが舐めて突っ張ってくる

 

ブラッキーが持たない性質

・聖剣耐性

・みがわりが地球投げ耐え可能

・バナの草技でみがわりが割れない

 

バルジーナが持たない性質

・低火力勢の冷凍ビームや10万等の技でみがわりが残る

 

 

などがある。

 

実際筆者は数値だけを見てブラッキーバルジーナで同一の構成をしてみたが、スカタンク程の活躍は不可能だった。また挙げたように残飯枠を取らない事からみがわり嵌め枠を2匹取れるメリットも大きく、パーティ構築が柔軟に行えた。

 

その分地面弱点などブラッキーバルジーナに劣る点も多々あるので、一長一短の性質をどう見るか、でこいつを採用するメリットを考えたい。

 

 

 

・さいごに

 

この型は元々ギルガルド対策特化させて考案しただけにその処理の手際の良さはまさにスタイリッシュ。一度やると病み付きになるだろう。

元々は毒統一用に考案した型なので、サイクル適性がそこまで強くなく、対面寄りのサイクル構築に適応するのかな、という認識だが、正直どうやればこいつを上手く使う事ができるのか筆者自身も完全には分かっていない。

いばみが型という事で、ジリ貧の時に役割対象外に威張って不正を働く事もしばしばあるので、友人をなくすタイプの型であるが、「マイナー」「いたずらごころではない」という2つの要素から、そういった型を嫌うタイプの人も、いざ使うと「これはいいの。」などと言うので見ていて非常に面白い。

よって、いばみがといった不法行為…ではなく法を逸脱している、法の目を掻い潜っている型という事と、一度使うと病み付きになる事から「脱法スカタンク」と名付けてみた。是非一度おためしあれ…ほら、1回だけなら大丈夫さ……

【マイナー】マイナーポケ入り構築の心得【シングル】

・はじめに

 

レート戦で勝つためには、構築内にマイナーポケや地雷ポケを入れ、「騙して勝つ」のが鉄則だろう、というのが持論だ。

実際滝ポケなどの上位勢の構築を見ていると、妙な型やマイナーポケを見かける事が多く、テンプレ型のみのパーティである上位勢というのはほぼいないと言えるだろう。

 

しかし、マイナーや妙な型(以下、マイナーポケや妙な型を総称し、「地雷枠」と呼ぶ)を考案、構築に組み込んだ際に実戦で上手く活躍させられているだろうか。筆者はここが非常に難しい点だと感じている。

ここでは、地雷枠をどう扱うのが良いのか、上手く活躍できない理由は何なのだろうかを自分なりに纏めてみた。

 

追記:筆者はサイクル系構築の人なので、すべての地雷枠がこの理屈に当て嵌まるとは限らない。サイクル系に地雷枠を組み込む前提での考え方である事をご理解頂きたい。

 

 

・型の考案段階での留意点

 

地雷枠に欲しい要素は以下の2つのうちどちらか一方もしくは両方だ。

 

①相手の安定行動を崩せる

 

②特定の有名な並びを単騎で崩せる

 

 

①・・・例えば"どくどくガブリアス"は、クレセなどの誘う耐久ポケへの好手を持つ。これにより対クレセドランへかなり安定した型になったと言えるだろう。

 

重要な点は「ガブリアスvsヒードランの対面で、ヒードラン側はクレセ引きが安定行動であるが、その安定行動を崩せた。」という点。ヒードラン対面でどくどくを撃つ事に抵抗があるかもしれないが、初手対面は取り敢えず地震、という、初手の読みを放棄するプレイヤーも少なからず存在するのがドラン引きへの強制力となっているので9割方引いてくると言える。

 

②・・・例えば"チョッキつのドリルニドキング"は、ドラン対面でのクレセ引き、という安定行動をつのドリルにより崩せるので、①の条件を満たしている上に、クレセドランという有名な並びを1匹で壊滅させられるといえる。

対応範囲の広さと引き換えにドリルの不安定感などデメリットもあるが、①②の両方を満たしているので地雷枠として動かしやすいのだ。

無論、その構築ピンポイントに刺さる型だとパーティの1枠を使う程ではないので、複数の構築や単体を役割対象とするのがベターである。

 

 

・選出段階での留意点

 

さて、型が完成した後はパーティに入れ、問題となるのが選出時だ。いざ選出したら負けた、というシチュエーションは少なくない。刺さる筈の地雷枠だったのに何故なのだろうか。

 

 

これは「選出したい」「渾身の地雷枠を活躍させたい」という欲求が最善の選出を阻害しているのではないだろうか、と筆者は考えている。要は地雷枠を特別視しない事が重要なのだ。

 

まず「地雷枠を"選出出来る"相手」と「地雷枠が刺さる相手」は違う、という認識が大事である。

選出時の危ない思考パターンとして「地雷枠が出せるな…あと2匹を何にしようか」というものがある。地雷枠を選出する事を固定してしまうと、選出パターンは半分にまで減ってしまう。(6匹から3匹選択:6C3=20,1匹固定、残り5匹から2匹選択:5C2=10)

残りの10パターンにより良い選出パターンがあるかもしれないのに、選択肢の幅を半減させているのは勿体無さすぎる。

 

よって、地雷枠を特別視しない事で、地雷枠入りの構築を運用する上での間違った選出を避けられるだろう。

 

 

 

・さいごに

 

地雷枠の運用方法として筆者が心掛けている事は以上である。特に選出に関しては結構やらかしてる人が多いのではないだろうか?

 

使ってあげたいのはやまやまだが、まあ落ち着いて本当に出して活躍できるか冷静になれよ、という自身への説教でもある記事になった。自分の文章で耳が痛い。

 

【雑記】調整における数値いじりの心得【ポケモンORAS】

 

・はじめに

筆者がポケモンにおいて1番好きな時間は、型の調整を考える際に努力値配分をチマチマと1ずつずらす時である。Bを3削ってSに回すと……などと考えている時が堪らなく好きなのだ。所謂数字オタクである。

当記事では、微調整をするときの考え方や筋道などを、根拠を明確にしつつ紹介したい。既に知っている方も、根拠を明らかにしておくことの価値は大きいと思う。

 

また、自力で新しい型を作ったことがなく、自力で一度作ってみたい方は是非当記事を読んで微調整の沼に沈んで頂きたい。

 

 

 

注:数学的厳密性を気にする人へ

例えば16n+15と16n-1は同じものとして見て頂きたい。ここを指摘すると、ポケモン界隈に浸透したnを用いた表記自体が数学的には間違いだと根本から正す必要が出てきてしまい、完全に記事の内容から話が逸れるので、本記事では便宜上のnを用いた表記を用いる。

 

 

 

HP調整

 

 

16n+1調整について

 

 16n+1調整は、たべのこしやくろいヘドロを持つポケモンに施されるのが一般的である。回復量が最大HPの1/16なので、この調整を施す事で回復効率が良くなるといえる。

この「回復効率」というのには大きく分けて2つあり、1つは最大HPに対する比率で、もう1つはみがわりとの相性である。

 

まず下の図1を見て頂きたい。

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※図1

 

 

図1は、残飯回復4回でみがわりで削れたHPを補えるか、を表で確認したものである。

 

最大HPに対する比率に関してだが、まず表の残飯回復量のところを見て頂きたい。

HPを1ずつ増やしていくと、16nを超えたところで残飯回復量が増えるのがわかるだろう。つまり、簡単に言うと16nを超えた方がちょっと得、という事である。無論16nが一番効率が良いのだが、後に述べる理由から、偶数を避けるメリットが述べられる。

 

 

次にみがわりとの相性の話だが、16n+1である177や193は、みがわりのHP量が丁度残飯の回復量の4倍となっているのが分かるだろう。ここがポイントだ。

例えば16n+15である実数値191で残飯とみがわりにまもるなどを併用し、4ターン粘ったとすると、HPが3減った状態になるだろう。これを数回繰り返していると、塵も積もればなんとやら、なんか勿体ない状態になってしまうのである。

 

数値ばっかりだと理解しづらいかと思うので、具体例を挙げたいと思う。

みがまも残飯で長いターンを消費するポケモンといえば…そう、オニゴーリだ。

 

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オニゴーリは無振りでHP実数値155、252振りでHP実数値187であるが、この155~187の間で16n+1となる値は161と177の二つである。できるだけHPに多めに振りたいので、実数値は161ではなく177を選ぶ。

図1から分かる通り、HPが177のとき、残飯回復量は11、みがわりのHPは44である。

 

ここでもし、HPに252振り、実数値が187だったとするとどうなるだろうか。

みがまもループでムラっけターンを稼ごうとしても、徐々に無駄が生じてくるのだ。実践してみて実感するのも良いが、机上で考察を進めるため計算して導いてみよう。

 

下の図2を参考にしていただきたい。

 

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※図2

 

 矢印は残飯回復の流れである。図から分かるように、10ターンまもみがを行った時点で残HPは同値となり、16n+1調整を施した場合とHPにぶっぱした場合では、最終的に2ターンまもみが可能なターンに差が付いた。この2度のムラっけ試行回数を稼ぐため、一般的にオニゴーリはHPに全振りをしないことが推奨されている。

 

16n+1調整についてのまとめ

 

残飯や黒いヘドロを持たせる場合、16n+1調整が最も回復に無駄がない。 

みがまも等と併用するとメリットが顕著に現れる。

 

 

16n-1調整について

 

一転して、今度は16n-1調整の意図を整理しよう。

まず、16n+1の項で述べたように16n-1は残飯の回復効率が一番悪い調整なので、この調整は残飯を持たないポケモンに施すものである。

残飯の回復量のように、最大HPの1/16を~といったものは、ダメージソースにも存在する。砂ダメや霰ダメ、どくどく状態の1ターン目のダメージだ。

また、16の倍数は必ず8の倍数でもあり4の倍数でもあるので、最大HPの1/8を~といったスリップダメージ(鮫肌、てつのトゲ、等倍ステロ等)や最大HPの1/4を~といったものの効率も最低とできる。

これに関してはデメリットなので効率を最低にする必要がある故に、先程とは真逆の調整を施すのである。1/16のものや1/8のものを兼ねて対策できていることから纏めて、「スリップダメージに少し強くなる調整」といえるだろう。

 

ちなみに「じゃあ残飯を持つ場合はスリップダメージは妥協しているのか」という疑問を持つ方がいるかもしれないが、残飯の回復頻度は毎ターン1回。スリップダメージを毎ターン受けたとしてもメリットとデメリットはプラマイ0。そうでない場合であればスリップダメージを受ける頻度より残飯の発動頻度は高いので何も問題はない。デメリット以上のメリットをキープしている。

 

 

ただ、16n-1となる数は16おきにしか存在しないため、種族値によっては16n-1にしようとすると大幅にHPを削る必要が出てくるので、単純に耐久値が低くなるデメリットが現れる事もある。調整の過程で上手く16n付近だった場合にちょっと削ったら16n-1になるな~程度の思考でいいだろう。

有名どころだと、「H特化ポリ2の実数値が192となるので、16nになる。1削って191にすることで16n-1となり、耐久値もほぼ不変」などが挙げられる。

 

他にも例えば、筆者が実際に育成したゲンガーは目的の調整を施そうとするとどうしてもHPが16n-1まで達することが出来ず、結果実数値157、n表記だと16n-3となった。しかし、砂ダメ効率最低でこそないものの、「砂ダメ効率低め」であることは間違いない。耐久調整やSなどの重要なラインを妥協してまで16n-1に漕ぎ着ける必要性はないといえるだろう。

 

 

 

16n-1調整についてのまとめ

 

残飯を持たない場合、スリップダメージを受けることを考えるとちょっとお得!

ただ、残飯を持つ場合は逆に避けたい値であり、16n+1を狙おう。

 

 

8n+1調整(16n+9調整)について

 

8n+1調整は回復ソースが1/8ずつ…、思いつく限りではポイズンヒールしか挙がらないが、そういったポケモンに施す調整である。16n+1とほぼ同じ調整であるのだが、一応こんな調整もあるということを紹介したい。

 

8n+1、つまり8で割って1余る数値であるが、これは先ほど述べた16n+1を内包していることを下の図3で確認しよう。

 

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※図3

 

8n+1調整をしたら16n+1にもなってた、というシチュエーションはよくあるもので、もう16n+1調整でいいじゃないか。という方も多い。

だが、あえて「16n+1ではないが8n+1である」という状態を求めるメリットがある。こういった数は16で割ると必ず9余るので、「16n+9調整」と呼ぶ方が適切だろうか。

 

この調整のメリットを実感するため、今度はポイズンヒール型のキノガッサを例に挙げる。

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キノガッサのHPは無振り~252振りで実数値135~167の範囲を得られる。なるべくHPに多く振ることを前提としたときの、16n+1と16n+9の値はそれぞれ161と153である。それぞれの一回のポイヒ回復量と、砂ダメを表にした。下の図4を見て頂きたい。

 

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※図4

 

図4を見ると、HPが153の場合、砂ダメを2回を被弾しポイヒで回復すると1多く回復することが出来るのに対して、HPが161の場合1多く回復する事が出来なかった。

こんな僅かな差だが、ポイヒガッサの戦法はオニゴーリのような有限回のみがまもと違ってPPが切れるまで無限ループが出来るので、1の得はいずれ山となるだろう。ループに入るとチマチマ増える…判定勝ちを狙う時に意外と大きな勝ち筋になるかもしれない。

 

砂ダメを受けつつポイヒで回復するシチュエーションが少ないので、気休め程度だと考えHP161のキノガッサを使う人も多いが、戦略的な事を言うと、カバやバンギやノオー入りの構築にはポイヒガッサが刺さる傾向があるとは言っておこう。無論、耐久調整の関係などで161の方が良いのにもかかわらず153に固執する程の価値があるとは考え難い。

 

 

8n+1調整(16n+9調整)についてのまとめ

 

微細ながらもポイヒループの中でメリットが得られる。

塵も積もれば山となるので、軽視すると勿体ないかも?

 

 

偶数を避ける理由

先ほど少し述べた、ここまで頑なに16nや8nを避けてきた理由だが、何故かと言うとみがわりを張れる回数が減るから4の倍数を避けていたわけだ。だが、まず偶数である時点でのデメリットがわずかにある。

いかりのまえばを被弾時にオボンの有無がバレる

・抜群ダメージを耐える確率の問題

 

 

前者はいかりのまえば被弾時にギリギリオボン発動圏外でHPバーが緑のままとなり、相手側から見てオボン発動圏外と分かるのでオボンの有無がバレないのだ。もし偶数だった場合はHPバーが黄色となるのが相手にも見えるので、オボンが発動するかどうかで情報アドバンテージを取られるのだ。

逆に言えば、オボンを持っているポケモンはあえてHPを偶数にする価値はあるだろう。オボン持ちのはらだいこマリルリなどは偶数調整必須なポケモンのひとつである。

 

 

後者は、ダメージ計算の仕様上抜群技のダメージは必ず偶数となる(抜群補正の×2は最後に行われるから)ので、抜群技を耐える確率は偶数の場合でもそれより1低い場合でも実は変わらない。その1をBやDに回した方が耐える確率が変動しうるのでお得、といった理屈だ。

上記のオボン持ちのメリットに比べて小さいデメリットなのでオボンを持つ場合は偶数調整を優先するべきだろう。

 

 

16n+1調整などの話から総合すると、オボンなど敢えて偶数にする場合は16n±2が理想だろう。

 

また、有名な話なので割愛したが、ステロ4倍勢は奇数調整必須である。2度目の繰り出しが可能かどうかが変わるので、偶数だとデメリットが大きすぎるのだ。

 

 その他のHPの調整について

 

 

1/4,1/8,1/16のスリップが多いが、中には下記のような、少しレアなスリップダメージがあるので挙げておく。

 

10n-1・・・珠ダメージの効率最低

6n-1・・・ゴツメダメージの効率最低

 etc…

 

16n-1などの項でも書いたが、どれも「無理なく調整できるならする」、程度として心掛けたい。微細なメリットのために大幅にHPを削るのは逆効果である。

 

 

 

努力値を振るステータスの個数

続いてABCDSの振り方について話そう・・・という前に、複数箇所に振るうえで考えておきたいことがある。それは、偶数箇所振りは無駄がある

ということである。例えばHADSの4箇所に振るのであれば必然的にBにも最低4振りしないと無駄があるのだ。

 

ではなぜなのかをはっきりさせよう。

 

まず、Lv50においての無補正無振りのときのステータスは、

HP・・・(種族値)+75

その他のステータス・・・(種族値)+20

である。種族値を知っていれば暗算でも余裕で算出できるだろう。

 

ここを最低値として、努力値でさらに数値を大きくするのが努力値振りである。

最大で32増やすことが可能であるので、無補正全振りの場合のステータスは 

HP・・・(種族値)+75+32

その他のステータス・・・(種族値)+20+32

となる。赤字部分を0~32の範囲で弄るのが調整の本質だ。

そして、この0~32はどう努力値を振ればいいのか、というと、最初の1だけは努力値4で済むが、2以上上げたい場合は1あげるのに8必要となるのだ。

文章からは分かりづらいので表にしてみた。図5を参照

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※図5 余談だがエクセルの関数機能って凄いと感じた(機械音痴)

最初は必要努力値は4なのに、次は12と8増えている。その後はずっと8ずつ増えているので、必要努力値は必ず8n+4となっている。

元々努力値はすべてのステータスで合計510まで振ることができ、実質意味があるのは508までであり、2はいかなる振り方でも余る。

ここで、508を8で割ってみると4余るので508はn表記では8n+4となる。

8n+4となる数は偶数個足すと8の倍数となるので、上記の状況を踏まえて偶数箇所に8n+4を分配することを考えると必ず4余ることがわかる。

よって、偶数箇所に振るのは無駄があるといえる。1つのステータスの上限が252であるので、少なくとも3カ所には努力値を振る。故に努力値を配分する際には3カ所もしくは5カ所が基本となる。

 

 

 

さらに言うと3カ所振りすら無駄があるとも考えられる。

三カ所に振っているとき、一カ所から努力値を8拝借して無振り箇所に4ずつ振るとどうなるだろうか。

拝借した部分はステータスは1減っただけだが、4ずつ2カ所に分配したので合わせてステータスは1得した事になる。

 

だが、この1の得を求めて調整を崩すほどではないので、5カ所振りでないといけない…というほどではない。例えばAS252の襷ポケのAを削ってBDにわざわざ分ける行為などは流石にお門違いだ。

 

めざパ個体や一部の型は例外!

ここまで振る箇所について議論したが、振る箇所はすべて個体値はV想定だった。ではめざパ個体で振る箇所がUの場合はというと、全く違ったものとなってくる。

結論から言うと、Uの箇所はまず1増やす時点で努力値が8必要となるのだ。個体値が1下がるたびに努力値は4多く振らないと同じステータスとならないとも言い換えられる。

つまり、先程の8n+4が適用されず8nで処理されるので、U箇所に振っても振った箇所としてカウントしなければよい。

 

例えば、H×bCDSのめざ氷個体の場合、Aには振らないものとするとHCDSのうち3カ所に振るか、Bにも振りつつHCDSのうち3カ所に振ると無駄がないのだ。

だが、HCDSすべてに振りたいめざ氷個体の場合はもうどうしようもないので4余らせるしかない。

 

※追記 7世代にて王冠の登場により、必要箇所Vのめざパ個体を用意できるようになったので、実質この議論は不要となった。

 

 

他にもトリル型最遅ヤドランやいばみがクレッフィなどは無駄が生じる。

ヤドランの場合はAとSに振る必要がなく、HBCD全てに振りたい場合があるのでやはり無駄がある。

クレッフィの場合、攻撃技がイカサマのみであればAとCは不要となる。

 

このように、どうしても無駄が生じてしまう場合は仕方がないと割り切るしかない。

 

振る箇所の数についてのまとめ

 

5カ所振りがちょっとお得であるが、無理をして3ヶ所振りを5ヶ所振りにする必要性は低い。

 

 

BD調整

 

BDの調整についてはダウンロード対策くらいだろう。

 

ダウンロード対策 

特性:ダウンロードはこちらのBDのうち、低い方に対応してAかCを上げる特性である。この特性を持っているのはレート下だとポリゴン系のみであり、ポリゴン系は基本的に特殊技がメインである。最近物理技搭載も増えているらしいが、依然としてC上昇は脅威であるので、是非ともCの上昇は阻止したい。

 

物理受けが役割で、HB特化のようなポケモンでは無論ダウンロード対策は無理だろう。しかし、DがBより1でも高ければ良いので、BDの種族値が近いようなポケモンならば微量の努力値で対策が可能だともいえるので、「できればしておく」とお得だろう。

 

 

「5ヶ所振り」と「ダウンロード調整」と「奇数調整」を意識した振り方

 

例としては陽気ASガルーラが1番分かりやすいだろう。

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AS252振りとすると、残りの4をどこに振るかという話になるが、

 

H4振り・・・H実数値が181となり、偶数調整となる。また、ガルーラにとっては相当重要な6n(ゴツメ6回で瀕死)を回避出来ている。

D4振り・・・ダウンロード対策となる。

 

では、「どちらを選ぶのが良いのか」……ではなく、「どちらも調整しよう」とする事を考えてみよう。つまり、H4D4振りを視野に入れるのだ。

 

 

AS252では不可能なので、最小限の量だけAを削る事にする。 

まずH4振り、更にDに4振り、S252の残りA……と振ることを考える。が、これでは4ヶ所振りとなる。よって、Bにも4振る。

すると、BDに4振りなのでBDの実数値は等しくなり、またダウンロード対策が消えてしまった。

よってDをもう1大きくするためにDは12振りとする。

 

最終的な振り方は

 

4-236-4-0-12-252

 

となった。

 

結果的にAの実数値はぶっぱに対して2削れた事になるが、その分ダウンロード対策と奇数、ゴツメ意識のHP調整、5ヶ所振りを全て兼ねる事が出来た。

 

 もちろん、Aを削ったデメリットは存在するが、その分いろいろなご利益が得られたので、メリットとデメリットを天秤にかけた結果こちらの方がお得だろう。

ただし、 筆者はガルーラの火力調整にあまり詳しくないのでこう述べたが、もしAを2削る事で仮想敵への確定数のズレが生じるならば一概にこの調整の方が良いとは言い難い。どちらを優先させるか、は使用者のパーティや使用者の性格と相談である。

(ちなみに筆者はHPが奇数じゃなかったり、あとちょっとでダウンロード対策が可能なのにしていなかったりする調整を見ると蕁麻疹が出る体質になってしまったという・・・)

 

 

BD調整についてのまとめ

 

DをBより高くすることでダウンロードを対策する。ダウンロード対策は無理のない範囲なら積極的にしたい調整である。

ダウンロード対策、5カ所振り、HP実数値調整を兼ねる時は火力や素早さを削ったりするが、そちらを尊重する方が良いのか火力調整を妥協する方が良いのかはパーティに合わせて天秤にかけたい。

 

 

 

S調整

 

ある少年は言った…「ポケモンというのは素早さが1違うだけで先手後手が決定してしまうゲームです。」

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※素早さの重要性を説く少年の姿。彼はクロバットやサンダースに抜かれないよう敢えてレアコイルの採用を図ったという。当時しんかのきせきは存在しないというのに進化前を採用したことから少年の只ならぬ才能が伺える。

 

 

最速にする価値を再確認

 

「とりあえず最速」という調整を頻繁に見かける。実際先程例として最速ガルーラを挙げた。ただ、それに筆者は疑問を抱いた。本当に最速は重要なのか?

 

結論から述べると、最速にするポケモンの条件は、

 

1. そのポケモンより種族値が1だけ低い、対面有利なメジャーポケの存在

2. 同速対決に元々有利気味で、同速対面で居座れる型である

3. 最速でS操作技により仮想敵をギリギリ抜ける

4. 襷型など、他の部分に振る価値が薄い

 

の4つである。この4つのうちどれも満たさないポケモンを最速にする意味合いは薄いのだ。

 

 

1の例を挙げるとするとオンバーンである。

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このポケモンのS種族値は123であり、1低い122にメジャーなゲッコウガが居る。オンバーンは流星群やとんぼがえりでゲッコウガに先制する価値があるといえるので、最速にする必要がある。

 

2の例はゲンガーが挙げられる。

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シャドボ持ちゲンガーはゲンガー同士の対面で居座って同速勝ちすると無償で相手のゲンガーを突破できる。(50%で負ける対面で居座る理由については話題が逸れるのでここではしない。)

同速対決の土俵に立つことすらできなくなるので、ゲンガーは最速にする人が多いのだ。

 

逆に言えば、祟り目型など「同速対決で先制出来ても確殺できないゲンガー」を最速にする必要性は薄いのではないだろうか。筆者はメガ後にマニュ―ラ抜きまでSを削り、耐久を厚くした調整を愛用しているが困った事はあまりない。無論裏にはゲンガーに後出ししやすいポケモンを入れて引き先を用意する必要性がある事は意識していただきたい。

 

3はキノガッサが有名だ。

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キノガッサ筆頭の最速70族は岩石封じにより130族を1だけ抜くことが可能である。同様にスカーフを持たせても130族を1抜ける事は有名だろう。

 

※参考

70族最速・・・実数値134

70族最速スカーフ・・・実数値201(134×1.5)

 

130族最速・・・実数値200

130族最速,S1段階下降・・・実数値133(200×(2/3)を端数切り捨て)

 

 

 4は襷持ち全般に言えることで、両刀でもない限りASぶっぱかCSぶっぱの2択となるだろう。準速にするか最速にするか、はどこまで抜きたいかに依るだろう。

 

例として筆者お気に入りの襷ニドキングを挙げよう。

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 CS252H4振りで最速を選択した。

準速と最速のメリットはしっかり吟味したが

 

準速のメリットが

「だいちのちからの確定数がH振りライコウに対して確定2から乱2にズレる」、「だいちのちからの確定数がH振りバンギラスに対して乱数から確定2発へとズレる」など

 

これに対して最速のメリットが

「HDアローより速い」「準速サザンと同速になるので対面処理しやすくなる」「最速ヒードランを抜ける」等相当大きいのでSに補正をかけた。

 

襷ポケである場合も火力とSラインに相談して最速にするか準速にするかを考察する必要がある。

 

最速にする必要性についてのまとめ

最速がメジャーなポケモンも、最速にする必要があるか一度考えてみると最速にしなくていいかもしれない。最速にするメリットをしっかり考えてから型を考察したい。

 

 

 

 

調整総集編

 

では最後に、実際に調整する際の考え方を、手順に沿って解説する。

例になってくれるポケモンは、筆者が最近調整したHSベースのどくまもメガライボルドである。

技:どくどく まもる ボルトチェンジ オーバーヒート

性格:臆病

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はじめに、仮の調整案を置く

今回はHSベースのライボルトなので、H252D4S252振りと仮決定する。

このとき実数値は

メガ前:177-x-80-125-81-172

メガ後:177-x-100-155-101-205

となる。

ここを軸として、HやSをいくつ削ってBCDにいくつ割り振る~といった算段だ。

 

仮調整でのデメリットを列挙する

・最速にするメリットが不明瞭

・16n+1と定数ダメ耐性が低い

・5カ所に振っていない

 

デメリットを解消するように弄る

最速であるメリットは、メガミミロップ対面で先制ボルチェンを狙う動きを想定するので十分にある。また、最速130抜き調整周辺を安定して抜けるのでS252は削らないものとする。

16n+1の回避策として、H実数値を2削る(努力値は16削る)事で16n-1と出来るので、耐久値に大差ないと考え、削ることにする。この削った分を:BCDに補填し、ダウンロード調整を兼ねると、

236-0-4-4-12-252とピッタリ割り振ることができた。

ちなみに実数値は

メガ前:175-x-81-126-82-172

メガ後:175-x-101-156-102-205

となる。

今回は偶然「ダウンロード対策」「5カ所振り」「16n-1」の3つを兼ねた調整が成立したが、そう上手くも行かない場合も多いので、その場合は取捨選択する必要がある。

このあたりの調整の両立が出来ない場合は、ダウンロード対策、16n-1、5カ所振り、の順で優先するべきだと考えている。

 

これでこのライボルトの調整は完了したわけだが、筆者はいつもここでもう一つすることがある。

それは

メジャーポケからの被ダメ計算

である。

 

いろいろ計算してみたところ、いじっぱりガブの威嚇込み地震が6.3%の乱1だった。

ここで、一つの選択肢が生じる。

 

努力値:236-0-20-0-0-252
メガ前:175-x-83-125-80-172
メガ後:175-x-103-155-100-205

 

とすると、この地震を確2にまで抑え込めるのだ。

しかし、この調整では5カ所振り、ダウンロード対策は放棄してしまっている。

さて、この場合どちらを優先すべきだろうか。

 

ダウンロード対策と5カ所振り or ガブの地震耐え

 

 

 これに関して筆者は、前者が圧倒的に優先すべきだと考えた。

なぜならば・・・

 

・このライボルト地震を耐えてもガブに有効打があまりないこと

・意地ガブということはスカーフと見てよい。スカガブとポリ2ならばポリ2と対面することの方が多いと考えられること

・「6.3%の乱数を引く」または「急所を引く」確率が実際にライボルトが倒される確率であり、それを調整によって「急所を引く」確率のみにまで減らすだけで結局100%耐えられるわけではないこと

 

 

特に3つ目は重要だ。

「確定耐え」という言葉に惑わされがちだが、急所率はどうせ存在するのだから、「急所を考えないものとした場合確定耐え」とかいう不安定なものが本質だ。よくある「ただし摩擦や空気抵抗は考えないものとする」並に怪しい理屈だという事を忘れてはいけない。

 

勿論、急所はメッセージとして「きゅうしょにあたった!」と表示されるので、火力補強系の持ち物の判定をする方法として確定耐え調整は有用である。なぜなら、例えば最高乱数以外耐え、などの調整の場合、もしもその技で倒された場合、それがこだわりハチマキなどの相手の道具によるものなのか、最高乱数によるものなのかが分からないからである。

だが、今回は2つ目の根拠から、ダメージを受けた瞬間相手の持ち物はスカーフだと分かっているものなので、その情報戦的なメリットもないものと考えられた。

 

 

調整総集編についてのまとめ

ベースとなる仮調整を決める→デメリットを列挙、解消をねらう→デメリット解消手段の取捨選択→メジャーポケ対面のダメ計→(あるならば)修正

 

の流れが基本である。

 

 

 

・さいごに

長文となりましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました。

基礎的な内容で、ベテランの方からすると「知っとるわこんなもん!」ってなるかもしれませんが、基礎的な内容の根拠をはっきりさせるって大事なことだと思うので、再確認して何か「気づき」があったら幸いです。

 

※補足

 

また、度々「どちらの調整を優先するか天秤にかける」と書きましたが、"こちらを優先すべき"というのはシングル前提なので、ダブル用の型ならば優先すべき調整は変わってきます。ご了承ください。

 

 

 

 

【16シーズン】バシャサンダーナット〜王の帰還〜 最高1978,最終1962(645位)【シングル】

・はじめに

 

16シーズンお疲れ様でした。

今期もサイクル戦をしたくなり、バシャサンダーナットを使ってみました。

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今期は毒統一↓

http://panpikkle.hatenablog.com/entry/2016/07/08/195949

で目標である1800を達成し、さらなる高みを目指そうとしたところ1580辺りまで堕ちました。そこで残りの期間を練習期間とし対面構築などを触っていましたが、最後5日程で唐突に前期のようなサイクル戦をやりたくなりまして、前期は頑なに拒んできたバシャーモを入れてみたところ、元々お気に入りのサンダーとナットのコンビが自然と添えられた感じでした。惜しくも2000は乗りませんでしたが、最終日の夜が明ける頃に最高で1978まで到達し、そこで1敗したところで集中力の限界を感じ終了としました。最終レートは1962で645位でした。

 

 

・パーティ紹介

 

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バシャーモ@メガストーン やんちゃ

特性:かそく→かそく

努力値:ASぶっぱC

個体値:30-31-30-31-31-31

技構成:まもる 膝 フレドラ めざ氷

 

調整の意図は特にないように見えるが、ミラーに強くするためにぶっぱ。甘えたバシャを狩ろうとする中速を許さない。

めざ氷はマンダ、ランドなどに撃てる他、ガブに触らないで済む等のメリットがある。膝+めざ氷だとHDマンダが怪しい。

多分Sを削ってCに振る方が強いけど面倒くさがって調整していない。

バンドリマンダはこいつ単騎で安心できる。同じ技構成で珠を持たせても良かったように思えるが、先制技等の蓄積からミリ耐えする魅力もあるのでメガストーンは手放し難い。あとめざ氷が読まれづらいのも利点だろう。マンダと共に選出するべきタイミングについてはまだ2メガの扱いが勉強不足なのでよく分からない。

 

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サンダー@ゴツゴツメット ずぶとい

特性:せいでんき

個体値:29-22-31-31-31-31

努力値:212-0-252-0-0-44

技構成:ボルチェン 熱風 どくどく 羽

調整の意図:H16n-1 Bぶっぱ 残りS

 

パン12個を捧げ手に入れる怪物。

せいでんきのメリットは凄まじく、「スカーフランドがとんぼで自殺して行った」「HDアローのラムを交換してるだけで潰した」「舞ったガブが何故か止まった」などなど。

ボルチェンカットのための地面を呼ぶので、ガブやマンムーに引くタイミングを経験則から察知しどくどくを撒いて交代…とサイクルを回すのがミソ。終盤は相手によっては毒羽で詰みなので、「サンダーで詰み」という勝ちルートを見据えた立ち回りが最善手である場合がある。

取り巻きの技故に(主にまもる)麻痺よりどくどくの方が美味しいので、せいでんきは保険程度と捉えて良いだろう。ただ、鋼物理勢や裏で縛れる相手などには露骨に発動狙いの後出しを行った。

 

 

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ナットレイ@たべのこし のんき

特性:てつのトゲ

努力値:HDぶっぱB

技構成:ステロ 宿り木 まもる ジャイロ

調整の意図:DL対策と言う名のぶっぱ

 

 

我がパーティ1番の功労者。このポケモンは頻繁に「使うのが難しい」と言われており、少し使って挫折する方が多いが、このポケモンを使っている時は「相手の次の一手を手に取るように読める」という事に気付けば使いこなせるのだ。少し解説しよう。

 

まず、やどりぎとステロは相手に不利な2択を与えている。「交代すればステロが刺さる」「居座ればやどりぎが刺さる」

さて、前者と後者はどちらが相手としてはデメリットが少ないだろうか。答えは前者、ステロ被弾を選ぶ方である。

 

何故ならば、

 

  1. 居座れば不利な2択が次ターンも発生する点
  2. ナットのまもる所持率がそこそこ高いことから考えると無償で吸収され得る点
  3. 有利対面を作れるメリットが存在しない点
  4. やどりぎはダメージと同時にナットが回復するので、サイクル的な負荷は実質ダメージの倍である点

 

などの理由が挙げられるからである。

 

よってやどりぎに対して居座るのは「元々有利対面であり、技選択がサイクル的に負荷を掛けられるから」という明確な理由がないとあり得ないのである。

 

例えば先発ガブvsナット対面

 

初手お互いステロ

2ターン目地震、やどりぎ

 

このターン交代しないガブは5%もいないだろう。ここで交代読みでやどりぎを選択するのが最善手である。

 

例えここで居座られても、ガブの地震ダメージからやどりぎ、残飯と回復すると実質20程度しか食らっていない事になる。ローリスクハイリターンな上、リターン率が高いという非常に美味しい行動なのである。

こうしてやどりぎを連打しているだけで何故か相手がどんどん削れていき、こちらの意図を相手が察したタイミングを読んでまもる。これだけで相手は激おこである。その頃にはバシャーモさんのお掃除圏内にも入ると予想できるので、退場させてバシャーモ死に出しも良し、鬼火タイミング等バシャーモ無償光臨タイミングを読んで繰り出すも良し、サンダーナットサイクルだけで壊滅させるも良し。

 

ここまで書いて言及していないのが、ナットの起点にされやすい性質である。舞ガブ、マンダ、炎ポケたち……無償光臨をされて舞われたら簡単に詰むので処理ルートを考えたい。

積み技には攻撃されるリスクがあり、流し際に積まれるのが厄介であり、サイクル系の構築の性質上積み技自体が弱点である。よって、読みでケアしないといけない。

まず第1にナットに後出しされる積みポケモンには必ずやどりぎを当てる事が大前提である。光臨タイミングには必ずやどりぎを撃つ事を心がけたい。先ほど述べたやどりぎ連打はこの意図もある。

 

後は相手の行動を3〜4回連続で読み切りやっと処理出来るのである。ここでもまもるが活きるので上手く活用したい。

 

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ニンフィア@カゴ ずぶとい

特性:フェアリースキン

努力値:244-0-172-28-4-60

技構成:ハイボ 瞑想 ねむる いびき

調整ライン:A194メガガルーラのタックル耐え "いびきニンフィアで検索してヒットしたブログのうち、一番Sが高かったニンフィア"抜き のこりC

 

 

このCラインだと無振りガブがボイスで乱1なので、物理耐久を削ってガブ確定ラインは押さえるべきか。

 あくびループ脱出、対レパルガッサ、対CDG4などで活躍したポケモン。どくまもドランは起点対象なので、1サイクルマンダに回して型を確認したのちにマンダで処理しづらいクレセ共々起点にする。

瞑想を撃つのが道理なタイミングでの高火力物理交代を誘うので、敢えてボイスを撃つ読みが重要だった。

物理耐久にかなり振ったお陰で流行りの物理技搭載ポリ2も起点にできたのは大きい。が、ガルガブに臆して選出率が少し低めだったのが難点。

 

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ニドキング@チョッキ ひかえめ

特性:ちからずく

努力値:148-0-4-108-172-76

技構成:大地 冷ビ 不意打ち つのドリル

調整の意図:H16n-1 無振りC+2化身ボルトのめざ氷高乱数2耐え H252メガクチート高乱数1発 113スイクン抜き抜き

 

チョッキが似合う王の貫禄 

 

今期は前期に比べ、つのドリルを見てから冷静に対処する方が多かった気がした。特に受けループ勢がキッチリエアームドで受けてきたので正直に言って文字を搭載したくなったが本来の役割放棄とならないよう必死で我慢した。受けループ相手は勝率30%もあれば問題ないと思っているので、当たればラッキー(ダジャレではない)程度に構えていた。

 

相手のパーティにクレセしかバシャーモ受けが居ない場合などは、ナットニドバシャ選出によりやどりぎ補助の下でつのドリルを多く打ちバシャーモを通す、という強引なやり方も時には通した。

ポリ2が増加した印象なので、セットでついてくるゲンガーも同時に見れるニドキングは非常に選出しやすかった。また、クチート入りの鈍足多めのパーティにも取り敢えず投げて損はない。

 

マンムーとの1番の差別化点はクレセを葬れる点だろうか。また、鬼火が致命傷とならないのも相当大きいもので、耐久炎相手への対処もニドキングだから助かった場面が多かった。無論、ガブに強い点などマンムー側に分がある事も多いのだが、そこはパーティと使用者の性格の問題だろうか……

 

約束:つのドリルを当てたらパルレしてあげること。

 

 

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ボーマンダ@メガストーン 慎重

特性:いかく→スカイスキン

努力値:244-4-4-0-228-28

技構成:竜の舞 羽 地震 からげんき

調整の意図:こちらメガ後メガヘラのロクブラ確定耐え メガ前後共にDL対策までD振り 残りS

 

 

数値お化け。

恩返しやタックルにしたい場面は多いのだが、鬼火アローが辛いのでやはりからげんきの安心感には勝てない。ナットサンダーと共に基本選出の根幹をなす枠であり、抜きエースであり受けポケ枠もこなし回復技まである最強のサイクル適性を持つメガ枠だろう。

ちなみに調整のメガヘラのロクブラ耐えだが、勘違いしないで頂きたい。威嚇なしでの調整である。物理耐久はガブの逆鱗も素で耐えるレベルなので、不一致二倍程度で落ちるはずがない。

 

 

・さいごに

二期連続2000達成は為せませんでしたが、終盤にこのパーティで潜るだけで8割近く勝てたので並びとしての完成度を感じました。

特にナットレイについて詳しく書きましたが、それは今期、このポケモンのポテンシャルを十二分に引き出せたと感じられたからです。やどりぎ連打最強理論は常に危ない橋を渡っているようで、実は合理性の塊であり、どんどん有利になるものだという事でしょう。

何か質問や意見等ありましたらコメントもしくはTwitterの方(@poikkle)までご連絡ください。ここまで読んで頂き、ありがとうございました。

魔改造ヒートロトム考察【シングル】

・はじめに

 

「魔界ロトム」という型のロトムはご存知だろうか。ヤツの技構成は、「おにび、みがわり、あやしいひかり、ほうでん」である。ただ、これだと耐久ポケモン相手の際、誤魔化す事は出来るかもしれないが、突破は困難となるだろう。そこで、我流の魔改造(アレンジと読む)を施してみる事にした。

 

・試験運用

まず、おにびをどくどくにして運用してみた。これで耐久は確実に潰せるだろう…と思っていたが、おにびである合理性は想像以上であった。

 

どくどくの問題点

  1. ドリュウズに有効打なし
  2. 物理相手を誘う際におにびの方がメリットが大きい
  3. ゲンガーなど、どくどく無効勢へほうでん選択を強制される
  4. 起点回避がほうでん麻痺依存となる

 

※それぞれ、「有利対面でみがわりを残し、相手の交代先へ撃つ」というシチュエーションや、「みがわり越しに対面した相手を状態異常にする」というシチュエーションを想定していただきたい。

 

1,3について。

ドリュウズに関してはパーティ次第でどうにかなるだろう。無効勢に関しても、おにびも炎に無効にされるので一長一短であるから、パーティによってはどくどくの方がいい場合もあるかもしれない。

 

ただ、2,4に関しては相当問題である。

 

2について。

ヒートロトムに抜群を突けるタイプは水、岩であるが、水は電気技で抜群を取れる以上一概に不利とは言いがたく、水ポケをヒートロトムに後出ししてくるケースは少ないと言えるだろう。するとヒートロトムに後出しされるポケモンは必然的に岩技持ちが多いという事である。無論岩技はほぼ物理技であるから、後出しされる相手にはおにびの方が美味しい可能性が高いのは道理だろう。

 

4について。

上記の通り、物理を誘うので物理ポケが強引に起点にしようとしてくる場合がある。例えば襷パルシェンなどを死に出しされたら厄介であるだろう。ほうでん麻痺を引けず殻を破られたら相当厄介であるから、機能停止を狙えるおにびが優先されるシチュエーションであると言えるだろう。

 

 

以上の理由から、どくどくで耐久ポケを処理する考えだと、本来有利に進む試合を逃す事が分かった。ではコンセプトを変えず、耐久ポケに強くなるためにはどうすれば良いのか。簡単な事である。

 

あやしいひかりの代わりに、ポケモン界最強の技、「いばる」を採用する。

 

これしかないだろう。

「いばる」とは耐久相手には滅法強い技である。自傷ダメージが大きくなればハピナスのような低いAの持ち主でない限り崩せるのは†経験則†から明らかである。これにより、おにびのままであっても耐久崩しが可能となるのではないか、という仮説の元、運用してみた。

 

・試験運用2

 

いばるの問題点

  1. 物理に引かれた際に恐ろしい事になる
  2. たまに外れる

 

1について。

ガルーラなんぞ投げられた日にはパーティが壊滅しうるので、裏には無効役兼みちづれ役のゲンガーさんを投入する事でリスク軽減を図った。やられても50%で助かるので気にしない事にする。逆に言えば物理に引くタイミングを読んでおにびを撃つ読みが有力であり、通せば機能停止なので要は"択"である。

 

2について。

ここのデメリットを差し引いてもお釣りが来るレベルのメリットが自傷ダメージの大きさにあると考えた。

 

 

総合して見ると、やはりいばる採用は好みの問題であろうか。明確にメリットが見えても手を出しづらい技である事は確かであるので、一概にいばるがあやしいひかりに勝っているとは言い難い。故に、「私自身がいばるという技が好みである」という点が大きな採用理由となるだろう。

 

以上で魔改造ロトムが完成した。技構成は「おにび、いばる、みがわり、ほうでん」である。

 

・調整

 

残飯を食べる回数が必然的に多くなるので16n+1調整は是非とも施したい。すなわちH145をまず確定とする。この型自体がヘラクレセドランの並びに非常に有利であり、Cを130まで伸ばすとH193D127ヒードランのみがわりをほうでんで確定で割れるのでそこも確定としよう。続いてSラインだが、ヒードラン抜き調整でも構わないと思ったが、マンムーに先制おにびを入れられるメリットを考え80族抜きが候補に入り、さらにギャラドスに有利となるため81族抜きまで振る価値があるだろう。無論最速でも構わないが、最速85族はなかなか存在せず、居たとしてカイロス程度であるから切るものとする。82〜84にはブーバーン、スカタンクパンプジンしかおらず意識する価値は低いだろう。よって81族抜きまで振るものとし、残りをDに回すと無振りドランのマグストを良い感じの乱数でみがわりが耐える事が分かった。

よって調整は以下となる。

 

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※NNはこの型を思い付くきっかけとなった大先輩から。クレッフィに投げる場合が多いのでA個体値は0〜3推奨である。

 

オススメのパートナー

 

状態異常を撒き散らすので、やはりたたりめゲンガーが真っ先に挙げられるだろう。ゲンガーボルト対面など、ロトムを引き先として扱える対面も多く、非常に扱いやすいコンビと言える。

比較的サイクルというより居座りを視野に入れた型なので、対面構築寄りの構築のクッションとして入れると良いかもしれない。ガルガブゲンヒトム、などなど。

また、イカサマ持ちとも相性が良い。麻痺させておけばいばるで事故った最悪の場合でも上から縛れるだろう。

 どくどくを食らうと機能停止したも同然なので、どくどく無効ポケと組むのも推奨したい。これもゲンガーで足りるのだが……

パートナー枠も状態異常を撒けると、一手早く展開可能なのでさらに動きやすくなる。これもやはり筆頭はゲンガーであろう。他にもガブなどの耐久ポケを誘う枠にどくどくを搭載しておいたりなど、工夫方法は無限大であるといえる。

 

 

・さいごに

結局試行錯誤した結果、あやしいひかりかいばるかが択となった。

無論、あやしいひかりの利点も大きいので、「いばるの方が勝っている」と述べている訳ではない。ただ、現環境では魔界ロトムといえば当然のようにいばるではなくあやしいひかりを搭載しているので、そこに一石を投じたいと考えた。実戦での使用感は個人的にはあやしいひかり以上の性能だと感じたので、いばる価値をここで紹介した。